背中を丸めた猫と反らせた牛のポーズ
キャットアンドカウは腰を丸めたり反らしたりする準備運動として使われるポーズですが、丁寧にゆっくりと26個の背骨(頚椎7個+胸椎12個+腰椎5個+仙骨+尾骨)を一つ一つ順番に動かす意識を持ってやると、腹筋も使いますし結構汗をかけます。
また、あらゆるポーズにキャットアンドカウの動きを取り入れることによりポーズに深みが出ます。
このポーズで一番ありがちなのが、自分の背骨の最も動きやすい場所だけ動かして背骨全体が動いていないという点です。(ほとんどの人にとって最も動きやすい場所が腰の部分です。)
脊椎一つ一つに意識を集中して波のように動かす
胸椎に集中したキャットアンドカウ
腰椎の動きを制御して胸椎から頚椎の動きに集中するには、
1.四つんばいの姿勢ではなく、膝を開いてお尻を踵にくっつくまで下げてチャイルドポーズになります。
2.両手は頭上に伸ばし手をカップのようにして指先だけを床にしっかりと固定します。
3.息を吸いながら左右の肩甲骨を引き離し背中をバルーンに見立てて首にかけて膨らませます。軽くおへその方をのぞきこむようにします。(Cat)
4.息を吐きながら左右の肩甲骨のスペースは保ったまま胸から床に近づけ視線を手の先の方に移しながら胸椎を反らせます。(Cow)指で床を自分の方に引き寄せるようにします。
普通キャット&カウでは、キャット(背中を丸めて)で息を吐いて、カウ(背中を反らして)で息を吸ってと教わると思います。でも、この練習では意図的に息を背中に送ることによって(肺を背中側を意識して風船のように膨らませることによって)背中側の肋骨と肋骨の間を開くことを意図しています。
解剖図を見て骨を意識するとわかりやすい!
肋骨と肋骨の間には肋間筋という三層の筋肉があります。私たちが、美味しい美味しいと食べているスペアリブの部分です。この肋骨筋が硬いと、背中が凝るばかりでなく呼吸も浅くなります。画像でわかるように、肋骨は胸椎と接続しているので、胸椎の動きと呼吸を利用することによって、肋間筋やその他の背中の筋肉をリリースするのが、このエクササイズの狙いです。
腰椎中心のキャットアンドカウ
次に胸椎を固定して腰椎の動きだけでキャットアンドカウを行う方法です。
1、四つんばいの姿勢から前腕全体を床につけます。
2.息を吐きながら尾骨から背中に向かって(肩甲骨の下まで)腰椎の骨の一つ一つを順番に動かす意識で腰を丸めて行きます。(Cat)
3.息を吸いながら反対方向に戻すように胸から尾骨に向かって反らせて行きます。この一連の動作において、胸から上はできるだけ動かさないようにして、ゆっくりゆっくりと行います。(Cow)
全意識を背骨の一つ一つの動きに集中して行います。ポーズを通してお腹がだらりんと床に落ちないように引き締めた状態を保ちましょう。特に息を吐いたキャットのポーズの時には、尾骨を床に向かって下げると同時にお腹を締め引き上げましょう。(ムラバンダが感じられます。)
慣れてきたら、背骨全体頸椎までつなげて滑らかに、是非、一緒にスタジオで練習しましょう💛